story34.生活と自然との適度な距離感

今年もいつの間にか春が過ぎ、最近はすっかり夏の様相です。この時期は、蚊も少なく、庭の自然に触れ合える良い季節です。この前も、アトリエ裏の芝生で、久しぶりに家族でのバーベキューを楽しみました。少し前はたけのこ掘りをしたり、食材を盛り付ける時には庭のハランや山椒の葉を使ったり、庭の自然は、我が家の食生活にも密接に関わっています。私が子供の頃は、栗の木や柿の木なども生えており、季節になると栗拾いや柿取りをして自然に触れ合いながら、食を楽しんだものです。また、子供の頃は、食以外でも、生活と自然が密接に関わっていました。子供の頃の生活の中心といえば遊び。友達との遊びは、空き地での野球や、屋内でのボードゲームなどもありましたが、遊びの多くは、身近な自然と触れ合うようなものでした。当時、家の近所には田んぼや里地が多く残っており、子供なりに仕掛けなどの工夫をしながら、田んぼで水中生物を採ったり、里地でクワガタやザリガニを採ったりして、自然と触れ合っていました。家に友達が来た時は、庭で虫取りをしたり、時には松ぼっくりの投げ合い(当て合い)をしたり、自然物を遊び道具に変えて、楽しんでいたように思います。

最近、身近な自然が減ってきて、生活と自然の距離が大きくなりつつあります。ただ、人間ももちろん自然生態系の一員であり、生活と自然から離れすぎてしまうことは良くないことだと思います。特に、子供時代にしっかりと自然体験をすることは本当に大事なことです。私の知り合いで、吹田で子供の自然体験を事業としている起業家(midica)の方がいるのですが、その方いわく、幼少期の自然体験は、生きる力を養う非常に重要なプロセスだそうです。幼少期はいわば野生期で、3歳頃までの感覚期、6歳頃までの感情期、9歳頃までの感性期それぞれに、自然との触れ合いを体験することで、命を学び、健全な成長が促されることになる訳です。

少なくなりつつある身近な自然ですが、子供にとっても大人にとっても、必要不可欠なものです。市内の公園や里地・里山ができるだけ美しく維持管理されることを望むとともに、我が家においても、庭のみどりが彩りや恵みをもたらしてくれるような、自然との距離感を適度に持った暮らし方ができれば良いなと思います。 

Katsuji

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