先日、藤井厚二設計の聴竹居(京都府大山崎町)、八木邸(大阪府寝屋川市)、後山山荘(広島県福山市)それぞれ管理・運営などで支えておられる各倶楽部のスタッフの方々と、我が家および京都市内の藤井厚二設計住宅2軒の見学会が開催されました。3つの倶楽部の代表を務められている竹中工務店の松隈章さんをはじめ約20人の方々と、丸一日かけて、昼間は各住宅の見学、夜は京都市内のレストランでの懇親と非常に密度の濃い愉しい会合となりました。各倶楽部のスタッフの皆さまも、各住宅を所有あるいは借りられている方達も、それぞれ建物に対する想いや愛情が非常に強く、いろいろな方から、建物の細部に至るまでのきめ細やかさや美しさ、機能性などの説明をお聞きし、藤井厚二建築のすごさを改めて認識する良い機会でもありました。
実は、私たち夫婦は、我が家が藤井厚二設計であるということを、数年前までは知りませんでした。たまたま妻の水彩教室の生徒さんで古い建築物にも興味を持たれている方がいて、ある日、その方が京都工芸繊維大学の建築の勉強会に参加された時に、藤井厚二が建てた実験住宅と我が家の外観が非常に似ているということを教えてくださり、その後、京都工芸繊維大学の先生が我が家にお見えになられ、そこから聴竹居倶楽部の方や、住宅遺産トラスト関西の方などと輪がつながっていって、我が家は藤井厚二設計に間違いないという確信を得るに至りました。藤井厚二設計であることを知る随分前から、夫婦の中では、この古い建物や庭のみどりは大切に残していき、周りの方々にも見てもらったり使ってもらったり出来たら良いなという話をしていて、教室やグループ展、カレンダー展などを開催していましたが、最近、藤井厚二つながりで、さまざまな縁をいただくことになり、いろんな藤井厚二住宅を見たり、お話を聞く機会が増えるにつれ、さらに、家を大切にして、皆さんに愉しんでもらえたらという想いが強くなってきています。
代表の松隈さんは、現存している藤井厚二住宅に関わる方々のネットワークとして、このような「藤井厚二倶楽部」の集まりを今後も開催できればという意向を持っておられます。他の建物では、一住宅として住み続けておられたり、保存のために見学の受け入れをされたり、インビテーションギャラリーとして賃借されたりなどさまざまな利用形態があるとともに、大幅な改修によって建物も庭も当時のたたずまいを丁寧に復元された家もあります。我が家は、建物も庭も、そこまで美しく維持管理できていませんが、生活感のあるアットホームな雰囲気で「住みながら活用する」という数少ない利用形態をとっているという立場で、これからも藤井厚二倶楽部に関わっていけたらと思います。
Katsuji
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